Dir御一行様

Dirの御一行がまた新曲を、というか新アルバム「ARCHE」をだした。
特に気に入ったのは、「空谷の跫音」。京殿のサビでの高い声が響き回る哀しい歌。

Dirの御一行と言えば、昔V系として厚化粧で頑張っていた時代があった。
金曜8時からの某歌番組に登場し、破壊力抜群の例のトラウマモノを歌い（閲覧要注意）お茶の間を殲滅させてしまったのはもはや伝説である。あまりに激しく歌いすぎて何を歌っているのか分からないこの曲は「狂人」をテーマにしてるので、曲自体がカオスになっているのは…まあ…理にかなっているか…。

実はわたくし、そのシーンを僅か7歳という若さで見てしまった。その過激さをこの目でみてしまった。あまりに常軌を逸脱した過激な演出に思考が一時停止してた。

そのテレビ放送以降、彼らはテレビに姿を現すのやめ、密かに凶暴で残酷な（時々絶望的なものとかバラードとか）曲を作り歌い続けた。2005年頃から彼らは厚化粧をやめ、京殿は素顔で歌うようになった。そして近年はデスボイスの曲が目立つようになった。京殿は声帯を追い込み、時折声を壊しながら歌い続けてる。「日本のテレビには数字を渡さん」と言わんばかりに海外でもご活躍している。

いやあ、10数年かそこいらで人間とはここまで様変わりするとは…
こんなになった御一行がここまでカッコよくなるとは…90年代の皆さんは想像できただろうか。

これといってDirの御一行の熱烈なファンではないけれど、「自分たちの音楽を貫き、尚且つ純度を高めている」という面で凄いなと思ったので、少し書いてみた。